酒まつりとは

「酒まつり」は、1979(昭和54)年開始の「みんなのまつり」と西条酒造組合(現西条酒造協会)が1972(昭和47)年頃から行っていた「西条酒まつり」が一体となったまつり。
「みんなの祭り」の市民融和とコミュニティー意識啓発という目的に加え、お酒をシンボルにした楽しいお祭りがあることを全国に発信し、交流人口を増やすことで観光振興の一翼を担っております。

2023酒まつり 趣意書

「酒まつり」は訪れる皆さまとの関係性を深めます

近年まで、「酒まつり」は地域のにぎわいを創出し、東広島市を訪れる人たち(交流人口)を増加させることが目的の一つでした。「酒まつり」を契機に、その他イベントなど多様な仕掛けによってリピーターを増やし、魅力を感じてもらい、やがては移住してもらう(定住人口)という図式でした。現に、本市の人口は微増で、「酒まつり」は本市のにぎわいを象徴するものとなっています。

コロナ禍後の「酒まつり」は、これまでとは違う狙いで地域貢献したいと考えます。
定住人口や観光などに訪れる「交流人口」の増加に加え、地域と多様に関わる本市内外の人々(関係人口)を増やす手段としての「酒まつり」です。この3年間、コロナ禍の中で試みた「新型コロナウイルスを正しく恐れながらも目指した《新しい酒まつり》」は、東広島市の本格的な観光再開にもつながります。

多くの市町が人口減に直面する中、「2040 年までに 896 の自治体が消滅する」と予測した日本創生会議(増田寛也座長)の発表のように、いつか本市も「消滅可能性自治体」になるかもしれません。現に、総務省が本年 1 月に発表した人口移動報告では、広島県は県外への転出者が転入者を上回る「転出超過」(2 年連続全国最多。本市 229人減)でした。わけても衝撃は、転出者の7割近くを 20 歳代が占めたことです。
持続可能な観光(サステイナブルツーリズム)を担える若い人材が故郷を離れるのは地域の深刻な問題です。解決する一つの方法として近年は関係人口の創生・拡大が言われますが、地域のにぎわいづくりの目安の一つである祭りがそのスキルになりそうです。
「酒まつり」を本市内外の来場者との関係性を深めるきっかけとし、地元の若者たちとの良好な関係が、いずれ地域発展に寄与してもらう人材をつくることになります。

日本酒を取り巻く状況も変化しています。日本酒など日本の「伝統的酒造り」をユネスコ無形文化遺産にとの文化庁の提案は、2024 年のユネスコ政府間委員会で審査される予定です。また、来年が市制施行 50 周年にあたることら、「『日本酒のまち』としての魅力向上を図る」(第五次東広島市総合計画)役割を担う「酒まつり」としての新たな道筋もつけたいと考えています。

「日本酒」と「市制 50 周年」を十分に意識した新たな「酒まつり」は、来年へのさらなる飛躍を期して 10 月 7 日、8 日に開催します。34 回目を迎える「酒まつり」は、これからも「酒都」の祭りであり続けます。東広島地域の財産「酒まつり」を存分にお楽しみいただき、日本酒を縁としてそれぞれにいい関係を築き、「酒まつり」には今後も変わらないにご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和5年5月吉日
主催者 公益社団法人東広島市観光協会
会 長 蔵田 憲